宮沢賢治/作
池田浩彰/絵
講談社
注文の多い料理店 宮沢賢治/作 池田浩彰/絵 |
|
山の中は、 |
|
東京から来た 鉄砲撃ちの2人の紳士は、 |
|
その時 ふと気がつくと |
|
玄関はガラスのひらき戸が立って、 |
|
ずんずん廊下を進んでいきますと |
|
扉を開けようとしますと、 「どうか 帽子と 外套と 靴を おとり下さい。
|
|
「どうだ とるか?」 「仕方ない とろう。確かによっぽどえらい人が奥に来ているんだなぁ。」 二人は 帽子と オーバーコートを 脱ぎ
|
|
靴もぬいでぺたぺた歩いて廊下を行きました。
どうしたものか 又扉があり |
|
扉には |
|
つぎに、緑の扉がありました 「ネクタイピン カフスボタン、眼鏡、金物類、 と 書いてありました。 |
|
扉を開けると 硝子の壺が ありました。
「壺の中のクリームを 顔や手足に 壷の中のものは 牛乳のクリームでした。 |
|
「料理は もうすぐ食べられます。 |
|
2人は頭に ちゃぱちゃ振りかけました。 「あれ この香水 変に酢臭いよ」 |
|
「色々注文が多くて うるさかったでしょう。 |
|
今度という今度は 2人とも ぎょっとして
「おかしいぜ」
|
|
「おい君 注文の多い料理店というのは |
|
「だからさ 来た人に食べさせるのではなく、」 「その、、つ、つ、つ、つまり、、 ぼ、ぼ、ぼ、僕らが 、、、」 |
|
がたがたがたがた ふるえだしました。 戸の穴から 金色の目が光っています |
|
2人は 泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
その時「わん わん ぐわぁ!」と白い犬が2匹 |
|
部屋は、煙のように消え 二人は、寒さに震え 森の中に立っていました。 |