梶山俊夫/作・絵
三起商行(ミキハウス)

やんすけとやんすけとやんすけと

梶山俊夫/作・絵
三起商行(ミキハウス)
きこりのごんさんは働き者。
今日も朝から、山で木を切っていました
その時、”ずどん”
鉄砲の音がして狐が逃げきました

ごんさんがかくまってやると、
今度は狩人がやってきました。
狐が逃げ込んだ草むらに入ろうとすると…

近くの草むらからちょうちょが飛び立ちます

”これは見事な~”
ごんさんの言葉に、狩人は走っていきました。
狐は助けてくれたお礼にと、
不思議なツボを差し出します

中に物を入れると
沢山になって出てくるというのです。

試しに、百合の花を1つ入れると
百合の花が、噴水のように噴出しました。
やがてお昼になり
やんすけが、弁当を持ってやってきます。

たった1つのおむすび・・・
さて、ツボの中に入れてみると…
コロコロコロコロ・・・
おむすびが転がり出てきました。
「たべろたべろ、腹いっぱい食べろ」
おむすびは、とても食べきれません
そこで、やんすけが、
「そうだ!僕が沢山になって食べれば良いんだ」

ツボに飛び込むと、やんすけは…!?
そこへ迎えに来たお母さん。話を聞くと

大判小判はざっくざく、
きれいな着物も、御馳走も・・
ああなんてありがたい…

これさえあれば、と思いめぐります
喜んでツボを抱えたはずみに、
手が滑って、ツボを落として、
割ってしまいました。
沢山のやんすけとやんすけとやんすけ…
ツボもないのにどうしよう

大丈夫、皆で力を合わせれば何でもできる。

やんすけたちは、にぎやかな夕焼けの山を下っていきましたとさ。

おしまい