月夜の晩、村の子供たちは夜のお祭り見物に出かけました。
途中、文六ちゃんは下駄を買います。
その時お婆さんが「晩げに新しい下駄をおろすと狐が憑く」
と言ったのです。
下駄屋の小母さんはまじないをしてくれますが
祭りの帰り道、黙って歩く子供たちの心の中は
「文六ちゃんは狐になってしまった」という考えで
一杯になってしまいます。
もし狐になってしまったら…
父ちゃんや母ちゃんは僕をどうするだろう…
恐れと不安に押し潰されそうな文六ちゃんは
「もし僕が狐になっちゃったらどうする?」
と母ちゃんに聞きます。
母ちゃんの答えは意外なものでした。
「狐」
新美南吉・作
長野ヒデ子・絵
出版:偕成社
(表紙画像掲載は
出版社の承諾を得ています)
子を思う母の心は 人も狐も同じです