その家には、マリーという女の子が住んでいました。
そして、その同じ家の隅には、もう一つ小さな家があり
そこには、ネズミの女の子が住んでいました。
マリーも、ネズミにも、それぞれの家族がいて
お互いの存在に気がつかなかったけれど、
同じ様に、日々を過ごしていました。
ある日、晩ごはんの後片付けをしていたマリーはフォークを落とします。
そしてネズミはスプーンを落とし、
拾おうとした1人と1匹はお互いの存在に気がつくのです。
でも、ネズミや人間はに近づいてはいけない・・・
2人は、両親にも秘密にして、時々こっそりと手を振り合いました。
やがて、成長したマリーとネズミは、
住み慣れた家を出て、それぞれに新しい家族を持つ事になり、
新しい家を持つことになるのです。そして・・・
親子2代にわたって、静かに流れていく時間。
2人の家の様子が対比させて描かれていますが、
その細かいちょっとした遊び心を誘う描写が、
何度見ても楽しめて愉快なお話とともに、
宝物にしたい、この秋お勧めの一冊です。
(表紙画像掲載は
出版社の承諾を得ています)