「ぶどう酒びんのふしぎな旅」
藤城清治/影絵
H.C.アンデルセン/原作
町田仁/翻訳
講談社
巡り巡って旅をして、使われては捨てられ、
そして又拾われて、数奇な運命を漂うガラス瓶
渡り歩く旅・・・それは果たしてガラス瓶の行方を追うだけのものだろうか
人のゆく道をたどるように、ガラス瓶の行方をたどっていく
決して幸せな事が続くわけではない
かといって、辛い事ばかりの人生でいでもない
巡る月日の中に運命の定めというものがあるのなら
ページをめくって一緒に旅をしてみよう・・・
誰もが知っているアンデルセンとは一味違う世界を
藤城清治が、ステンドグラス越しに映し出すような
新たな光と陰で描く
60年前に出版された時にはモノクロの原画だったが
新たにカラーで出版。
その鮮やかさに心を奪われ、
一歩踏み出す勇気を分けてもらえる一冊
鳥かごの中に割れたガラス瓶が、
水飲み用の器としてつるされている・・・
年老いた老婆・・・
目を細めて思いをはせる、若くて美しい娘時代があった・・・
人生の最大の喜びを迎えた婚約の席で
そのぶどう酒の瓶は、開けられたのだ