ニューヨークのツインタワー その高さは400メートル余り
男たちが、工事途中のそびえ立つ2つの塔の間に綱を渡していく

最初は細い…だんだん太く…最後は太さ2センチにもなる鋼鉄の綱。
張りきった綱の上をバランス棒を持ちわたっていく一人の男
フランス人の綱渡り師”フィリップ・プティは、まるで宙に浮いている様だ
綱渡りの男」
朝日がタワーを照らし、タワーの下から風が吹き上げてきて
足の下には、とてつもなく広い街の景色が広がっている
ゆっくりと歩きながら、時に綱に座ったり、後ろに進んだり、
ね転がってみると、一人っきりで自由な空間が広がっていく
逆に、上を見上げると、なんて高い空の上に浮いているんだろう…

ビルの屋上に駆け付けた警官たちに逮捕されるまでの2時間余り
どうしてこんなことをしたかったの…?
”だってやりたかったから、挑戦するのが僕の人生なんだ”

1974年8月7日
25歳のフィリップが、ワールドトレードセンタービルを
綱渡りした実話に基づく絵本。
モーディカイ・ガースティン/作・絵
川本 三郎/訳
今や記憶にしか残っていない
ツインタワーが、幻想的に描かれているラストページには
様々な人の思いが交錯する…

(表紙画像掲載は
出版社の承諾を得ています)

小峰書店