ふくを返すように頼むオニに向かって、母は言います。
”酔っ払いに可愛い娘はやれぬ。どうしても返してほしかったら、
豆を植えて、水をやり、花を咲かせてその花を持ってこい”
と言って、戸の隙間から、豆をオニに向かって投げつけます
オニは豆を拾って山に帰っていきましたが、
一生懸命育てても豆からは芽が出る気配もありません
実は、母が投げたのは炒り豆だったのです。
1年たつと、新しい豆をもらいにオニがやってきます。
泣き言をいう鬼に、炒り豆を投げ付ける母
1年、又1年…母とオニの行く末は・・・・!?
山に帰っても酒ばかり飲んで暮らすオニ。ふくは家に帰りたくてたまりません
やがて春になると、雪が解けた山肌に、きれいな菜の花の一本道ができました。
道をだどって家に逃げ帰るふく。
後を追ってくるオニを振り切って家に帰りつくと、母は鍵をかけました。
(表紙画像掲載は
出版社の承諾を得ています)