コウくんとドングリの実「ケーキ」の長いお話

僕はどんぐり…名前は「ケーキ」
「ケーキ」という名前は、
どんぐりのまんまるお尻にコウくんが書いてくれたのです
お誕生日のケーキの真ん中に飾られていたので、この名前がつきました
まいごのどんぐり」
童心社
(表紙画像掲載は
出版社の承諾を得ています)

小さい頃に大切にしていた宝物
なくしてしまって、そのうち記憶からも忘れ去られてしまう
だけど、本当は心の奥底にしまっておいただけ・・・
だから扉をたたけば、ちゃんとその声は届くんだよ・・・

松成 真理子/作
コウくんはぼくのことが大好きで、いつも一緒に遊んでくれます
なのでいつでも、どこでも一緒に連れて行ってくれるのです。
でもある日の事、ぼくは、迷子になってしまいました。
コウくんは一生懸命探してくれて、ぼくも一生懸命見つけてほしくて
枯葉を払いのけて、頑張ったんですが、コウくんに見つけてもらうことができません。
次の日も、その次の日も、またその次の日も…
やがて、空から白いものが舞い降りてきて、ぼくはだんだん眠くなってきて
落ち葉の中に埋もれてしまいました

そうして、季節が流れ、時間が立って行くうちに
周りの景色がどんどん変わっていって、「ケーキ」は変化していったのです